主に介護や医療の現場で高齢者を相手に働く上で気をつけねばならないことがあります。それはやはり人間関係が結べるかどうかです。
どうしても高齢者との関係のスタートは「支援する人」、「支援される人」という関係から始まります。片やサービス提供者・介護提供者、片やサービス利用者ということです。それは制度上止むをえません。しかし問題はそこからその関係を信頼関係に醸成できるかということです。
介護をする際、単に身体介護などの介護を提供するだけの人であってはなりません。利用者側からして「この人に任せたら安心して移動させてもらえる」と思ってもらえるかどうかが重要なのです。その安心感は知識だけでは得ることはできません。普段からの声掛けや態度、接し方で形作られていくものです。
また、よく支援者側の視点で高齢者を語ることはありますが、利用者側からも支援者を観察されていることを常に意識しなければなりません。そしてよい人間関係を築くことができれば、支援者としてはこれに勝る値打ちはありません。
逆に言えば、どれだけ知識があろうとどれだけ資格を持っていようと、利用者と信頼関係が作れていないのであれば意味はないのです。その信頼関係を結ぶ道具が知識であり資格であるにすぎません。その為には普段の立ち居振る舞いがかなり重要になってきます。繰り返しになりますが、利用者からも支援者は観察されています。よい人間関係が結べるよう普段の声掛けなどを怠りなく行っていきましょう。